大阪・北新地のビル火災(他人事ではない)

年末のこの時期に、こんなことが起きるなんて…

昨日12月17日午前、大阪 北区の繁華街のビルで火災が発生。

エラー|NHK NEWS WEB

火元は8階建てのビルの4階にある心療内科と精神科などが専門のクリニックとみられています。
消防車数十台が出て消火活動にあたり、およそ30分後に火はほぼ消し止められましたが、ビルの4階、25平方メートルが焼けたということです。

警察によると、この火災で28人が病院に搬送され、このうち24人の死亡が確認されたとのことです。
男性が14人、女性が10人、20代から60代くらいとみられ、出火当時、24人はいずれも、4階のクリニックのなかにいたということです。
ほかの4人については、3人は搬送時に意識がなく、もう1人は軽傷。

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クリニックを訪れた男 入り口付近が激しく燃える

現場であるクリニックの待合室にいた方々からの「紙袋を持って訪れた50代から60代くらいの男が、暖房器具の近くに紙袋を置いて蹴り倒し、漏れ出た液体に引火した」という目撃情報があり、警察は放火の疑いがあるとみて捜査しています。

現場のクリニックは入り口付近が激しく燃え、救助された人たちの多くは建物の奥のほうでみつかったとのことです。

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現場のビル

火災のあったビルは、JR北新地駅の南側にあり、交通量の多い道路に面しています。
鉄筋コンクリート造り、地上8階建ての雑居ビルで、昭和45年に建てられました。
テナントが入っているのは6階まで、火が出た4階には心療内科のクリニック、1階には衣料品店が入っているほか、英会話スクールやエステサロンなどが入居しています。

大阪市消防局によると、火事のあったビルについて、おととしの3月19日に4年に1度の定期的な立ち入り検査を実施しましたが、ビルの設備に消防法上の不備はなかったということです。

また、去年の9月25日にも、消防振興協会が立ち入り検査を実施しましたが、この際も不備はなし。

一方、このビルでは毎年、管理者が消防設備が実際に作動するかどうかを検査し、結果を消防局に報告する必要があったものの、平成26年10月以降は報告書が出されていなかったということです。

これについて大阪市消防局は、「報告書を出していない施設は少なくなく、重大な違反ではない。立ち入り検査では設備があるかどうかを確認しており、実際に設備が作動するかどうかまでは確認していない」と話しているそうです。

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原因調査

総務省消防庁は火災の原因を迅速に調べる必要があるなどとして、消防庁や消防研究センターの職員合わせて9人を現地に派遣しました。

また火災のメカニズムに詳しい東京理科大学の関澤愛教授は、「大変衝撃的な火災だ。新宿・歌舞伎町での44人が亡くなったビル火災から20年となるが、それ以来多くの人が犠牲となるようなビル火災は起きていない」と述べました。

そのうえで、「火災の詳細がわからないので、まだはっきりしたことは言えないが、いわゆる小規模な雑居ビルの場合、避難階段が1つしかないこともあり、避難階段の途中に物があったり、出口の付近で火災が起きたりすると、逃げ場が無くなり、火と煙にまかれてしまう可能性も考えられる。どういう状況だったのか調査も必要だ」と話しておられます。

過去の事例

2001年に東京新宿区 歌舞伎町での雑居ビル火災では、客や従業員など合わせて44人が死亡しました。
ことときは、避難経路となっていた階段に物が置かれているなど悪質な違反が放置されていたことが被害の拡大につながりました。

2008年には大阪 浪速区で雑居ビルの1階の個室ビデオ店が放火され、客など16人が死亡しました。

おととしには京都市伏見区にある「京都アニメーション」のスタジオが放火され、社員36人が死亡しました。

いたたまれない

京王線の放火事件もそうですが、都市での生活の身近なところで起こっているだけに、一歩間違えば自分もその場にいたかも…と考えると、本当に恐ろしいです。

本当に、人が集まるところでは、不審な行動をする人がいないか、常に気を配っておかねば…ですね。。

今回はこころのリハビリをする場所でこのようなことが起こり、本当に残念でお気の毒に思います。

出入り口が限られ、避難経路が分かりづらい狭い雑居ビルは、できるだけ避けたいですね。。

そして、火災の場合とっさにどのように行動すべきか、これを機会に改めて確認しておきたいところです。

参考:
大阪 ビル火災 24人死亡 火をつけたとみられる男 危険な状態|NHKニュース
大阪・北新地のビル火災に関する最新ニュース: 朝日新聞デジタル