ゆうです。
今日は年末調整の控除書類を書いて提出してきました。
諸事情あり、ギリギリ提出(汗)
でも、確定申告もやっぱりすることになるんだけどねw
さて、こういうときに浮き彫りになる自分の法的立ち位置。
まずそこから始めます。
今回は、複数の職場から給与をもらっていて、かつ一人暮らしのケースについて考えてみました。
あなたは世帯主?(世帯主とは)
一人暮らしの場合、世帯主は誰?
法律ではこんなふうに定義されています。
1 「世帯」とは、住居及び生計を共にする者の集まり又は独立して住居を維持し、若しくは独立して生計を営む単身者をいう。
2 「世帯主」とは、年齢や所得にかかわらず、世帯の中心となって物事をとりはかる者として世帯側から報告された者をいう。
引用元:厚生労働省HP「2019年 国民生活基礎調査の概況」>「用語の説明」
(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/index.html)
- 一緒に住んでいて生計が同じなら「世帯」
- 一緒に住んでいても生計を別にしていれば、別の世帯
- 一緒に住んでいない人を同じ世帯にはできない
ということになりますね。
「世帯主」は世帯の代表ですが、世帯から報告された者とされています。
逆に言えば、報告されていなければ、法的には世帯主とは認められないというわけですね。
誰を世帯の代表者にするかについては、慣習はあっても、法律上明確な属性による規定はありません。
なので世帯主は、続柄や年収、年齢などで決まるものではなく、世帯が自由に決めることができます。
さらに言えば、世帯は自由に作ることができます。
同居する家族がいても、「生計を別にする」ということで世帯を作れます。
また、学生でも社会人でも一人暮らしであれば世帯だし、世帯主になれます。
「世帯」の定義には、独立して住居を維持し、若しくは独立して生計を営む単身者も含まれますから、一人暮らしを始めたということは「世帯」を作ったということです。
世帯には代表である世帯主が必要。
なので、一人暮らしの人は必ず「世帯主」になります。
ただし、報告をしなければなりません。
報告をしていなければ、実家の世帯の代表、つまり父か母が世帯主のままです。
自分の住む家の住所の管轄である区役所で手続きをして、現住所に住民票を移しましょう。
一人暮らしを「世帯」として登録することによって、その人が法的に世帯主となります。
学生一人暮らしから社会人になった場合
学生の間はひとり暮らしをしていても、
「実家に仕送りしてもらっているし」
「長期休暇になったら帰省するし」
「そこまで遠くないから、週末とかちょくちょく帰るし」
そんなふうに考えます。
すねかじり状態で、一人暮らしの家は「世帯」なんだ!自分は世帯主なんだ!という意識は持ちにくいですね。
さらに、よくわからないし、めんどくさい。
で、放置になりがちです。
なんとなくそのまんまになっているかもしれません。
一度ちゃんと手続きしましょう☆
社会人で実家暮らしの場合
手続きしなければ、いつまでも父や母が世帯主のままになります。
「そのほうが税金が得になるから」とか言われて、なんとなく納得していませんか。
結婚するわけじゃないのに世帯を分けるのは悪いような気がするのかもしれません。
あるいは、そのままでも特に居心地が悪くもないからそのままなのかもしれません。
法的にも違法ではないので、実家の扶養家族のままでも、誰も何も言わないかもしれません。
「結婚しろ」「家に金入れろ」とは言われるかもしれません。
でも「世帯を分けろ」とはあまり言われませんよね。
しかし、本当にずっとそのままでいいですか。
いずれ結婚する?
するかもしれません。
でも、具体的な予定はあるんですか?
非婚率が高まっている現在、結婚しない可能性もあります。
よくわからない未来より、今現在の自分の立ち位置、自分の領域、持っているはずの権利、さらには義務を把握しましょう。
それぞれに事情がありますし、どういう生活を望むかにもよりますが、いったん惰性を断ち切り、すっきりさせ、自分の生活・人生を固めていきませんか。
可能なら、一度一人暮らしをするのをお勧めします。
「世帯主の氏名」「あなたから見た続柄」「住所」
「世帯主の氏名」には、住民票に記載されている世帯主の氏名を書きます。
「あなたとの続柄(つづきがら)」とは、あなたから見た関係です。
自分が一人暮らし世帯の世帯主であれば、「世帯主の氏名」の欄にあなたの氏名、「あなたとの続柄」の欄には「本人」と書きます。
一人暮らしでも住民票を移していなければ、「世帯主の氏名」の欄には実家の世帯の代表(例えば父親)の名前、「あなたとの続柄」の欄にはその場合「父」と書かなければなりません。
しかし住所も住民票の住所、つまり実家の住所ですね。
本来、引っ越ししたら新住所に住民票を移すのが基本ルールです。
時間があれば、先に区役所で住民票を現住所に移してしまいましょう。
その上で、一人暮らしの世帯・世帯主として年末調整の書類を作成し、会社に提出しましょう。
年末調整の書類の会社への提出期限が迫っているのであれば、世帯主の欄に自分の名前、続き柄を「本人」、住所欄には現住所を記入して、先に会社に提出します。
その後、区役所に出向いて、住民票を現住所に移します。
引っ越しや他の諸事情のため、現在住んでいる場所と住民票に記載の住所が異なる場合、年末調整の扶養控除等申告書には、翌年1月1日時点で実際に住んでいると見込まれる住所を書きます。
【確認】一人暮らしの場合の記入項目
一人暮らしの場合、「扶養控除等(移動)申請書」(マル扶)に記入するのは一番上の囲み内のみです。
左側の「給与の支払者の名称(氏名)」「給与の支払者の法人(個人)番号」「給与の支払者の所在地(住所)」の欄は、会社の方ですでに記入している場合がほとんどかと思います。
あなたが実際に記入するのは右側、以下の項目です。すべて記入は必須です。
- あなたの氏名(フリガナ)
- 印鑑
- 生年月日
- あなたの個人番号(※会社から「必要なし」との指示があれば記入しない)
- あなたの住所又は居所
- 配偶者の有無
- 世帯主の氏名
- あなたとの続柄
年末調整してもらう会社に提出する扶養控除等申告書
複数の会社から給与をもらっている場合、それぞれの会社から年末調整の控除書類をもらうかもしれません。
そのうちの1箇所で年末調整をしてもらいます。
会社側は給与を支払った人の年末調整をする義務があります。
例えば、A社、B社の2箇所から給与をもらっており、A社がメインの勤め先で、ここで年末調整をしてもらうとします。
その場合、扶養控除等申告書については、
A社(メイン)
- 本年度分(令和2年分)
- 来年度分(令和3年分)
両方を提出
B社
来年度分(令和3年分)
のみを提出
となります。
なお、記入する項目・内容はすべて同じです。
来年度分の申告書は、来年度の月々の源泉徴収額を計算するための目安です。
一緒に送られてきますが、本年度の年末調整の書類ではない、ということですね。
年末調整してもらう会社に提出する書類
まとめます。
年末調整してもらう会社へ
- 本年度分の扶養控除等申告書(令和2年分マル扶)
- 来年度分の扶養控除等申告書(令和3年分マル扶)
- 本年度分の保険料控除申告書(令和2年分マル保)
- 本年度分の基礎控除申告書(兼)配偶者控除等申告書(兼)所得金額調整控除申告書(令和2年分マル基・配・所)
これらをセットで提出します。
後で確定申告をするのであれば、その際に保険料の控除を申請することもできます。
今落ち着いて書く時間がなければ保険料控除申告書は後回しにできます。
ただし、確定申告で忘れずに保険料控除の申告をしましょう。
基礎控除申告書。これは今回から始まったものですが、控除を受けるためには記入が必要です。
こちらについてはまた別記事で解説します。
年末調整してもらう会社以外の会社へ
来年度分の扶養控除等申告書(令和3年分マル扶)のみを提出します。
他社で年末調整するなら提出不要と言われるかも。
念のため、他社で年末調整してもらう旨を伝えておきましょう。
電話してみましょ☆
昨年の年末調整シーズンに会社に扶養控除申告書を提出していなかったら、今年の年末調整の書類が届いていないかもしれません。
その会社で年末調整してもらいたいなら、急いで用紙をもらって提出しましょう☆
そこの会社で年末調整しない場合、必要のない書類は提出しなくてよいと言われたり、いったんすべて返却するように指示があったり。
このあたりは会社によります。
また、本年度中に転職している場合、今の会社は前の会社での源泉徴収を把握していません。
前職場の分も合わせて年末調整してもらうためには、前の会社の源泉徴収票が必要になります。
年末調整の書類の提出期限はそれぞれの会社が設定してます。
本年度はもう締め切った、あるいはそろそろ締め切り☆というところが多いかと思います。
時間もありませんし、わからないことは即、会社の担当部署に訊いてみましょう☆
バタバタと大変かもしれませんが、行動したらひとつかしこくなる(^^)~♪
どうしても間に合わなかった場合、確定申告の方で取り戻せる分を取り戻しましょう。
【参考】
- Trans.Biz 【『世帯主」の意味とは?実家や一人暮らしでの決め方・変更方法も】
https://biz.trans-suite.jp/7891 - Trans.Biz 【「続柄」「あなたとの続柄」の意味と書き方一覧!両者の違いも解説】
https://biz.trans-suite.jp/7927 - 国税庁【年末調整がよくわかるページ】
https://www.nta.go.jp/users/gensen/nencho/index.htm - 厚生労働省【2019年 国民生活基礎調査の概況】「用語の説明」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/07.pdf - 保険相談ニアエル【年末調整で生命保険料控除を忘れた人必見!確定申告での申請法】
https://hoken.niaeru.com/media/tips/tax-relief-reapply/ - 総務省統計局【平成27年国勢調査 調査結果の利用案内 -ユーザーズガイド-】「Ⅳ 国勢調査の結果で用いる用語の解説」
https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2015/users-g/pdf/04.pdf - ZEIMO【年末調整にはどの住所を書けばいい? 住所変更したときは?】
https://zeimo.jp/article/35694